あの「ピー、ガガガガ……」を聴きたくなって、MZ-80Kのテープ音を令和に再現した
- ⏱ 約3分で読めます - 👁 … viewsネットを眺めていたら、昔のマイコンのミニチュア筐体を作り続けている人のブログに行き当たりました。
手のひらサイズのMZやPC-8001が並ぶ写真を見ているうちに、高校時代パソコンショップの片隅で、友人と交代しながら月刊I/Oの16進ダンプリストを打ち込んでいたことを思い出しました。
打っていたのはHEAD ONだったと思います。とにかく早く動かして遊びたくて、セーブという工程を省いてそのままRUNしていました。案の定、どこかで打鍵ミスをしていて動きません。セーブしていないのですから、直しようがありません。ため息をついて、また最初の1行目から打ち直す。あの頃はそれを何度も繰り返していました。
あの「ピー、ガガガガ……」という音は、冒頭の数秒を聴くだけで大体どのプログラムか見当がつきました。そういえばあの耳は今も残っているだろうか、と気になりました。
学校の実習では紙テープも読んでいました。あちらはあちらで、穴の並びを目で追えば内容の見当がついたものです。そういえば『ウルトラマン』の科学特捜隊の基地にも、紙テープを読み取る装置が出てきました。今はもう読めません。というより、紙テープ自体を見かけなくなりました。カセットテープの音のほうは、まだ手元で再現できるはずだと思い立ちました。
クリーンコンピュータという割り切り
MZ-80K/C1は、BASICもOSも標準搭載せず、電源を入れるとモニタプログラムだけが立ち上がる「クリーンコンピュータ」として知られる機種です。プログラムの保存先はカセットテープで、LOAD時にあの音がスピーカーから流れます。
今どきのパソコンなら、ストレージもOSも最初から入っていて当たり前です。当時はそれすらも「載せるかどうか」を選べる部品の一つでした。電源を入れて、まず自分でプログラムを読み込ませる。あの手間があったから、テープの音を聴き分けられるくらいには機械に近かったのだと思います。
令和の時代に、あの音をもう一度
任意のファイルを、MZ-80K/C1が実際にLOADできる音声(WAVファイル)に変換するスクリプトを書きました。実機で動作実績のあるオープンソース実装を参照し、生成した音がバイト単位で完全に一致することも確認しています。仕組みの細かいところはQiitaの技術記事にまとめました。
試しに、あるMarkdown文書(約39KB)を変換してみたところ、約530秒(8分50秒)、ファイルサイズにして約23MBの音声になりました。テキストひとつ変換するだけで、元の600倍近くに膨れ上がります。実機の転送速度は、現代の感覚だとかなりゆっくりです。
実際に変換した音を置いておきます。
MZ-80Kテープ音を聴く・ダウンロード(WAV, 約23MB)
再生すると、ノイズにしか聞こえないかもしれません。ですが、これがかつて画面の向こうで「ピー、ガガガガ……」と鳴っていた、あの音そのものです。
次は1200ボーのモデムの音でも再現してみるかな、と思っています。