Claudeの読本・カリキュラムを一式作った話
- ⏱ 約7分で読めます - 👁 … views企業がClaude Desktopの活用を社内に広めるのを支援するため、読本からカリキュラムまで一式のドキュメントをまとめました。作り始めてから今日までの流れを振り返ってみます。
はじめに
生成AIの話をすると、大企業向けの事例ばかりが目につきます。それも多エージェントを使った複雑な仕組みを提案していたりと、高い目標のものが多いです。SNSで流れてくる情報だけでは手を動かせず、手を動かせないから自分ごとにもなりません。
ですが実際に多くの現場を見てきて感じるのは、AIをもっとも必要としているのは人手も時間も限られた中小企業や、日々の業務に追われる普通の職場だということでした。特に製造業の現場では、AIを全社的に活用している中小企業がまだごく一部にとどまっているという調査結果もあり、「使わない」のではなく「何から手をつければいいか分からない」だけなのだと気づきました。
だったら、専門用語を並べるのではなく、実際の業務シーンに即した言葉で、すぐ真似できる形にまとめよう。それがこの一式のドキュメントを書き始めた動機です。読本を皮切りに、Tips集、事例集、応用ガイドと書き進めるうちに、内容も分量も当初の想定より大きく膨らみました。
経緯
最初に着手したのは、中小製造業の現場向けに書いた「町工場のための生成AI読本」でした。
並行して、Claude Desktopそのものの使い方をまとめた「Claude Desktop 虎の巻」(110のTipsと7つのレシピ)と、部門別の実例を集めた「Claude活用事例100選」、さらに自律実行系の機能を扱う「上級編 AGENT・loop・goal活用ガイド」を書き上げました。制作の途中では、PDF印刷時の見え方にもかなり時間を使いました。ページ上下の余白が印刷時に消えてしまう問題、罫線付きボックスの右端がわずかに欠ける問題、二重罫線の太さがビューアによって不均一に見える問題などを一つずつ検証し、最終的に安定して印刷できる形に落ち着かせています。
作ったもの
町工場のための生成AI読本
中小製造業の現場で働く方々に向けて書き下ろした読本。効率化そのものではなく、現場の「誇り」と「笑顔」を支えることを軸に据え、AIを全社的に活用している中小企業がまだごく一部にとどまるという調査結果なども交えながら、生成AIとどう向き合うかを平易に解説しています。
Claude Desktop 虎の巻
セットアップの手順からCoworkによる自動化まで、110個のTipsと7つの実践レシピを収めたリファレンス。手元に置いて必要な項目だけをすぐ引ける、辞書的な使い方を想定しています。
Claude活用事例100選
総務・経理・営業・マーケティング・人事・法務・カスタマーサポート・企画・IT・経営企画といった部門ごとに、実際の業務シーンを想定した活用例を100件以上収録。そのままコピーして使える形に仕上げています。
上級編 AGENT・loop・goal活用ガイド
Claudeの自律実行系機能(Agent・loop・goal)を使いこなすための応用ガイド。単発のやり取りではなく、目標を与えて継続的にタスクを進めさせるような使い方を扱っています。
講師用デモ台本
研修当日にそのまま読み上げられる逐語台本。操作手順を一字一句指定し、つまずきやすい箇所への対応やトラブル時のリカバリー台詞まで用意しています。
配布用サンプル教材
演習で使う架空データ一式。ダミーの請求書15件や社内報告書サンプルなど、実務データを使わずに手を動かせる教材です。
こだわったポイント
プロンプトの型をC.R.A.F.T.に統一しました。Context(背景)・Role(役割)・Action(依頼内容)・Format(形式)・Tone(トーン)の5要素で、どのドキュメントの例文もこの型に沿うようにしています。100件を超える事例集も、部門ごとに異なる役割・トーンを添えて自然な一文に落とし込みました。
印刷して配布することも想定し、A4のページ組み・余白・罫線の見え方まで一枚ずつ確認しながら仕上げています。
Claude Designを使って
これらのドキュメント一式は、すべてClaude Designを使って作成しています。原稿を書きながらその場でプレビューを確認し、レイアウトや配色を調整し、印刷時の余白や罫線の見え方まで同じ画面の中でやり取りしながら詰めていきました。文章の推敲と見た目の調整を行き来しながら進められたので、原稿とデザインを別々に往復する手間がなく、一冊ずつ着実に仕上げられました。
これらを教材とした研修・勉強会も承ります
読本は、配って読んでもらうだけではなかなか業務に定着しません。自分の業務に当てはめて手を動かす場があって初めて、「分かった」が「使える」に変わります。そこで、本記事で紹介した読本・Tips集・事例集は、そのまま研修教材としても使える形で作り込みました。
研修は、①日常業務でClaudeを自然に使える、②定型業務1つをCoworkで自動化できる、③セキュリティの原則を説明できる、④修了者の一部が社内推進担当者として展開計画を持つ、の4つを到達目標に据えています。カリキュラムの特色は以下の通りです。
- 1回120分(60分×2コマ)×全4回+任意1回の短期集中形式 — 8つのテーマを2つずつ組み合わせ、短期間で完走できる構成にしています。前提知識は不要で、非エンジニアの一般社員を主な対象としています。
- 講義とハンズオン演習を組み合わせた構成 — 各コマとも「宿題共有→講義→演習→共有・質疑→まとめと宿題」の型で統一。演習が約4割を占め、その場で自分の業務に当てはめて手を動かします。
- 虎の巻の章立てと完全対応 — 各回が「Claude Desktop 虎の巻」の該当章(Tips番号)に対応しており、教材を予習・復習にそのまま使えます。
- Free/有料プラン混在への配慮 — 第1〜3回はFreeプランでも受講可能。Coworkによる自動化を扱う第4回のみ有料プランが必要なため、Free受講者は有料プランの受講者とペアで演習に参加できる設計にしています。
- セキュリティ・ガバナンスを組み込み済み — コネクタ接続時の最小権限の原則、ダミーの請求書15件・社内報告書サンプルなど架空データでの自動化演習など、実務データを扱わずに安全に体験できる演習設計です。
- 成果が現場に還る設計 — 最終回では自部署への展開計画(対象業務・必要プラン・利用ルール・効果試算)をグループでまとめて発表するところまで含みます。
- 受講前の準備もチェックリスト化 — アカウント作成からプラン確認、社内のAI利用ルール確認まで、初回までに済ませておく項目を一覧にしており、当日の準備待ち時間を最小限にできます。
- 任意追加の画像活用回 — 画像生成AIの活用ニーズが高い場合のみ実施できる回を追加で用意しています。
ご提供の形は、貴社の状況に応じて2つ用意しています。
- ①クローズド講座(講師派遣型) — 弊社が毎回オンラインで登壇し、全4回+任意1回を進行します。講師用の指導案・デモ台本・配布用サンプル教材も一式揃っているため、実施はスムーズです。5〜8名程度まで人数によらず一律の料金です。
- ②社内講師育成コース(内製化型) — 社内講師候補1〜2名への養成セッション(120分×2回)のみを弊社が担当し、以降の研修は自社講師が単独で進行します。教材一式のライセンスと、講師用デモ台本・配布用サンプル教材が含まれます。継続的に自社内で研修を回したい企業向けです。
料金や詳しいカリキュラムは、下記のパンフレット(PDF)にまとめています。
商工会・商工会議所での勉強会や、読本・Tips集など教材単体でのご提供も可能です。研修・勉強会・教材のご相談は、株式会社リバーランズ・コンサルティングまでお気軽にご連絡ください。
読本もTips集も研修カリキュラムも、「何から手をつければいいか分からない」を放置しないために、実際の業務シーンの言葉で・すぐ真似できる形で、を最優先に作りました。生成AIの導入を検討している職場の、最初の一歩の道具として使ってもらえたらうれしいです。